人形と探偵の何か
Page.42「信じていました」
Prologue
私の心の中を読めるのなら
誰か上手く 当ててみてはくれまいか?
私の生きた道を辿れるのなら
誰か私に 付き添ってはくれまいか?
いつも私は独りで
いつも私は何かを求めていた
この場に居ても
この場で周りを見渡しても
私は何処か 孤独を覚えずには居られない
今私の目の前に居る 彼らが酷く 儚く見えて。
1
世界は広い。どんなにこの短い腕を伸ばしてみても、この大きな世界の全てを見る事は出来ない。
青い髪の幼い少年は、小さな絶望感に駆られながら道を進んだ。自分はこんな事しか出来ない。細く長い山道。ここを下りれば、街へ出られる。生まれて初めて街へ向かう少年の心に、幸福などというモノは欠片も無かった。
やがて道は開け、少しずつ人々の姿が窺えるようになった。少年は、彼らがこちらを向かない事を必死に願いながら進んだ。
ゆっくり、ゆっくりと。見つからないように。
「わ!」
少年はその大きな声に驚き、仰け反った。少年が唖然としているところに、声の主がゆっくりと近寄ってくる。
――子供。江戸の町に幾らでも居るような、普通の子供だ。年齢なら、少年と見た目は同じくらいだろう。
その子供は少年に対して不思議そうな目を向けながら、言葉を発した。
「――……君、もしかして鬼?初めて見たなぁ」
少年は答えようとした。
――是。我は鬼なり。
声は出なかった。そこまでの勇気がなかった。
「ねぇ、名は何て言うの?やっぱり鬼には名なんて無いの?」
「――……我は維南。我で付けた名だ」
「……イナン?面白い名前!僕は蓮一。皆はレンって呼ぶよ。ねぇイナン、君はここに何しに来たの?襲いに来たの?」
「! 我は人を襲わぬ者」
少年の言葉に、蓮一は少々驚いた様子だった。
「鬼って人を襲うんじゃないんだ?」
「――……そういう者も居る」
「へぇ、初めて聞いた!ねぇ、それじゃ何しに来たの?遊びに来ただけ?」
「我は、」
寂しかった。
町外れの小山で生きていくのも悪くはない。だが、維南の種族はそれを好まない。人と交わり、彼らを助けながら生きていく事を生業としている。だから、いつまでも山に閉じこもっている訳にはいかなかった。
「――……我は人と関わることを願う者。蓮は鬼である我を、排除しようとするか?」
「人と、関わる?」
幼い蓮一には難しかっただろうか。
「我は町で生きるべき者。しばらく泊まる宿を探している」
「! 何だ、それなら僕の家に来てよ。1人くらいなら泊まれるよ」
蓮一は明るい笑顔で維南にそう告げた。維南は蓮一に連れられ、彼の自宅へと走り出した。
それが、彼の最初の記憶だった。
数十年が経った。
蓮一が老いた頃になっても、維南は未だ幼い容貌のままだった。町の者は維南が人でないこと、しかし維南は人に対して襲わない者であることも知っていたので、彼を責める事はしなかった。しかし時は過ぎるもの。町にはやがて、維南の見知らぬ人間ばかりが増えていった。
そして時は来た。
「――あの蒼い着物の子だ!」
「捕えろ!!」
蓮一はもう、病でこの世から去っていた。しばらく維南は1人で小物を売りながら生活していたが、人ではない事が町外に知れ渡ってしまった。噂を聞きつけたらしい見世物小屋の主人が指示し、維南を捕えに町へやって来たのだ。
維南は走り回りながら、隠れられる場所を探した。
こんな事になるのなら、山で暮らしていた方がよっぽど良かった。幸せだった。
――そんな事を考えていても、今は意味が無い。とにかく逃げなければ――……。
維南が半分泣き掛けていたとき、とある店の影からニュッと手が伸び、維南を強制的に中へと引き入れた。
「……?」
何が起こったのか判らずに居た維南に、優しく声を掛けてくれる者がいた。
「――……大丈夫かい?しばらくここで休むといい、茶ぐらいなら出せるが、要るか?」
「――気遣いは要らぬ、我は――……」
「何言ってるんだい、維南。必死になって逃げていたんだろう?ちょっとぐらい疲れているはずだよ――……お凛、維南に茶を」
「はい、只今」
自身の妻にそう告げた彼は、何処か蓮一に似た風貌の若い人間だった。
その笑顔を思い出して、彼は思わずため息を吐いた。
その人間は維南をかくまってくれた。それから十年余の間だ。やがて維南が1人でまともに生活できるようになった頃には、既に時代は変わっていた。
*
彼が思い出に浸っていたその時、店の扉が勢い良く開いた。
「いやっほー、いなーん!!お元気?お元気?ねぇねぇお元気ー?」
ハイテンションで入ってきたのは、明るいオレンジ色の髪を左右に分けて高めの位置で三つ編みにした、セーラー服姿の少女だった。
「維南、髪伸びたね?あ、伸ばしてんのかー!うん、似合う似合う。何年振りかなぁ、8年振りくらい?」
「……維恩、嫌がらせか?」
維恩と呼ばれた少女は不満げに頬を膨らませて怒った。
「あーもうっ、今は維恩なんて名乗ってないのっ、玲央なの、玲央!やだなぁ維南ってば、人の名前覚えてくれないんだからー」
「覚えてないのはそっちだ、そっち!ボクだってもう維南とは名乗ってないさ」
彼は立ち上がって叫び、自ら玲央と名乗った少女を牽制する。
「あれ、そだったっけ?えっとーえっとー、維泉は森羅だったっけ?あれ、維南は何?」
「……いい加減にしてくれ。ボクは流人だ。三宮流人。8年前に会ったんだろう?だったら知らないはずはないんだけどな」
玲央はてへへと笑って誤魔化し、流人の傍へと近寄った。
「まぁとにかく、お久し振り、るひっちゃん。諒ちゃんにはこないだ会ったから気にしないでいーよ。相変わらず可愛かったね」
彼女は一見自分よりもかなり年上の彼を可愛いと称し、勝手に椅子を取って、流人の目の前に着席した。
「……ところで、森羅には会ってるのか?」
「会ってないよ。あんなの、二度と顔も見たくないねっ」
玲央は舌を出して怒った。やる事為す事全てが子供っぽい。
が、彼女も流人の『片割れ』と呼ばれた者だ。千年とまでは言わないが、それなりに長生きしている。それでもこの状態なのだから――……呆れる。
「だからね、玲央はるひっちゃんに会いに来たんだよ。挨拶して、楽しくお話して、出来れば諒ちゃんにも会いたいなー、なんて」
「……彼は今忙しいはずだよ。多分来ないさ」
「えー、そんな!……まぁしょうがないけどね」
玲央は仕方なさそうに言って、項垂れた。
――思い出した。流人は玲央に尋ねた。
「――……何故君は今、CECSと言われてるんだい?君はそもそも人間じゃないと言うのに――……何故だ?」
玲央はきょとんとした顔で流人を見つめていた。
十数秒経って、玲央の顔はいきなり笑顔に変わった。
「あっははー、それはね。玲央が普通の子として育てられちゃったから、って言うかなぁ。一応さ、この外見でしょー?るひっちゃんよりは成長速度速いし、上手い具合に人間と同じくらいのスピードで成長しちゃったんだよね。って事で、島原家の呪い?」
今年二十歳という事になっている彼女は、零歳の頃から親代わりと共に普通に生活し、小学校に上がり中学校に通い、高校も卒業して今に至っている。その長い学生時代、彼女は普通の人間と成長速度がほぼ同じだったお陰で、ばれずに済んだという事らしい。
「……それで完成形にまでなった事を、夢見月家に知られたわけだね」
「何だよー、るひっちゃんもCE享受者でしょ?しょーがないってば、そんなの」
飽くまでもこの場合は家の問題であるからにして。
「まぁ……実家で暮らしてた時期もあるからな」
「でしょ?玲央だってさ、好きで完成形になった訳じゃないって。なっちゃったんだもん」
玲央は愚痴っぽくそう言った。
流人は柔らかい口調で答えた。
「――……好きでなってる人なんて居ないよ、何処にもね」
「そう?」
「少なくともボクの知っている人は、皆望まずしてこういう状況に追い込まれていた。――それが現実」
「そっか」
玲央はあっけらかんと頷き、流人に茶を要求してきた。流人は1つため息を吐いて、茶葉を補給しに奥の部屋へと向かった。
何だか妙に、懐かしい気分になった。
「るひっちゃーん、諒ちゃん来たよ!来ちゃったよー!!」
玲央の明るい叫び声に、流人は思わず動かしていた手を止めた。
2
島原玲央の姿を一目見た瞬間、岩杉は彼女を疑わずにはいられなかった。
――明るいオレンジ色の髪、真紅の瞳。普通とは違うその外貌と、彼女のまとうオーラは明らかに周囲の人間たちとは違っていた。
(鬼……?)
疑いは飽くまでも疑いであってそれ以上にはなり得ない。それに、下手に問い質して失敗しては困る。だからそれまで、疑っても訊くことはして来なかった。
岩杉は紅葉通の店へ向かった。
店の扉を開けると、店主が笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい、岩杉さん。調子はどうです?」
「……まぁまぁ、かな」
そうして曖昧に答えると、店主は伸び掛けの蒼い髪を揺らして楽しそうに笑った。
「いつも同じじゃないですか」
「……だからいつも同じ調子なんだよ。――ところで、訊きたい事があるんだけど」
「? 何ですか?」
彼は玲央の風貌について岩杉から聞くと、明るい顔で答えてくれた。
「知ってるかも知れない。出来れば連れてきてもらいたいですね」
「連れてくれば判るのか?」
「えぇ、もし彼女なら――……ボクの事も判るはずですから」
彼の言葉を信じた。
『会って欲しい人が居るんだ』
岩杉は玲央にそう言って話をつけて、何とか連れ出す事に成功した。最初彼女は、自分の命を狙っているのではないかと岩杉の事を疑っていたらしい。
彼女は店に入った瞬間、とんでもない奇声を上げた。よほど驚いたらしい。
「い……いなーん!!維南っ、久し振りー!!きゃー!きゃー!玲央吃驚したよっ」
このテンションは何だ。岩杉は呆気に取られて動けなかった。
玲央は一気にカウンターまで走り、流人の両手を取って飛び跳ねた。されるようにされている流人は微笑みながら、彼女に尋ねた。
「久し振りだね、維恩。玲央って言うのかい?」
「うん、玲央。島原玲央だよ。維南は?」
「ボクは流人……三宮流人だ。元気そうで何よりだよ」
「えへへー」
玲央は照れて手を放し、近くにあった椅子にちょこんと座った。岩杉には、入り口でボケッと立っている事しか出来なかった。
玲央が何かに気付いたように、流人に訊いた。
「ねぇ、あの先生はるひっちゃんの何?お客さん?お友達?お兄ちゃん?お父さん?」
「その辺で止めときな、お父さんだなんて怒られる――……友達だよ。――岩杉さん」
「あ、あぁ……」
流人に手招きされ、岩杉はおぼつかない足取りで店の中央まで進んだ。
「流人、この子はやっぱりその――……鬼、なのか?」
「うん、昔ボクの『片割れ』と呼ばれていた――……赤鬼と人間のハーフだ。ボクは三宮家にずっと世話になってるけど、彼女は島原家でずっと暮らしている」
「! るひっちゃん、そんなに話したらっ」
玲央は慌てて流人を止めようとした。
「大丈夫だよ。彼は3歳の時からボクと付き合ってるから、ボクの事も知ってる」
「何だ……事情通かぁ。ヨロシクね、せんせい」
「……だったら俺よりよっぽど長生きしてるんだろう?先生なんて呼ばなくてもいい」
「でも玲央、みんなに変な目で見られる」
みんなと言うのは恐らく、彼女の周囲の人間たちの事――……要するに、同級生たちだ。
「じゃあそれは学校でだけで構わないよ。好きなように呼んでくれ」
「……そう?じゃあそうするねっ。先生、名前は?」
悪びれもなく彼女は笑って尋ねてきた。
忘れたのか、こいつは。
「岩杉諒也」
「じゃあ諒ちゃん!改めてヨロシクねっ」
「ちゃ……」
ちゃん付けで呼ばれたのは一体何年振りだっただろうか。
好きなように呼んでいいと言ってしまった事に少し後悔しながら、岩杉は渋々頷いた。
――もう8年も前の、事になる。
今日も岩杉の横にはセーラー服を着た玲央がちょこんと椅子に座っている。
「えへへ。諒ちゃんとここで会うのなんて久し振りだぁ」
彼女は顔を赤らめて笑う。
「……あれから一切来てなかったんだろ?薄情だな」
「やっ、やだなぁ諒ちゃんてば!玲央だって忙しかったんだよ?受験もあったし、ほらほら、皆と出掛けたりもするしー」
玲央は飽くまでも人間に紛れて暮らしてきた。勿論、人間の友人たちと遊ぶ事も欠かさない。何よりこのキャラクター、友人からの人気も高いようだ。
「判ってるよ。冗談だ」
冗談でも彼女は簡単に反応する。
彼女はカウンターに突っ伏して、岩杉を睨め上げた。
「……諒ちゃん、玲央の事目の敵にしてぇ」
「目の敵?」
「だってだってっ、中学の頃だって玲央の事当てまくったでしょっ!?もう、必死だったんだからー」
「そりゃー島原が余りにも成績悪いからだろ」
「…………だってー」
言い訳モードに入ろうとしている。
「どうしてそんなに長生きしてるのに国語が出来ないんだ?」
正直謎だった。玲央は答えようとしない。
「……全く」
岩杉はため息を吐いた。
と、玲央は話題を転換した。
「諒ちゃん、ピアスは?」
「え?」
「今日は偶々してないだけ?それとももう辛い思い出はサヨウナラ?」
玲央は不思議そうに岩杉の顔を覗き込みながら、言った。
「あぁ……サヨウナラ、だ」
岩杉は彼女の顔を見ずに、答えた。
形見のピアスはケースに入れて、タンスの引出しに仕舞った。彼女の事を忘れる為ではない。
もう、必要ないから。
「そっかー、いつまでも嫌な思い出引きずってたら人間生きていけないもんね。生き物はみんないずれ死ぬんだから」
「……そうだろ?」
「玲央はそうやって生きてきたよ」
指示語の『そう』がどこに掛かるのか、悩んだ。
「――……流人と同じか」
「だって、玲央はるひっちゃんの片割れだもん。正反対だけど、通ずるところだってあるんだよ。だから一緒に組んできたんだ」
玲央は優しく笑いながら語った。
「維恩はずっと維南に付いていくの。『仮令一時離れても、いつかまた一緒に』って言って別れたんだよ、50年くらい前に」
「50年……随分長い『一時』だな」
「長くなっちゃったんだよ、ホントはそんなに長くなる予定はなかったんだけど……」
岩杉の皮肉に、玲央は申し訳無さそうに弁明した。
「諒ちゃん、伊織森羅、知ってる?」
「伊織……?」
「あれれ、知らない。るひっちゃん、森羅って今どこに居るの?」
突如話を振られた流人がのんびりとした口調で答える。
「――さぁ、ボクからは何とも……でも玲央、会いたくないんじゃなかったのかい?」
「玲央が会うんじゃないよ、諒ちゃんが会うんだよ」
「そうして諒也君に言いたい事を言ってもらおうって寸断か。人を利用するのもいい加減にしたらどうだい、玲央」
「……るひっちゃん、怖い」
「ボクだって森羅には会いたくないんだ。会ったところでトラブルが起きて終わるだけさ。会わないほうが賢明だよ」
そう言う流人の口調は普段とは比べ物にならないくらい硬く、冷たかった。
「森羅って誰なんだ?」
岩杉が尋ねる。答えたのは玲央だった。
「るひっちゃんの、ホントの弟だよ」
「本当の?じゃあ」
「血は繋がってるけど全然似てないの。髪も目も緑で、背も低くて乱暴で、ホンット頭来るヤツなんだからっ」
玲央は森羅とやらの話をするだけで怒り、机をバンバンと叩いた。
「玲央、落ち着きなさい。どっちにしろ諒也君を森羅に会わせるような事はしないほうがいい」
「……だけど、森羅の事ほっといたら」
「放っといていいんだよ。どうなるかなんてこっちが考える事じゃない。――玲央、クッキー食べるかい?」
「! 食べるー」
流人の意図的な話題転換によって、その後森羅の話が出る事はなかった。岩杉はのんびりと茶を飲みながら、今後何をすべきかを考えた。
(彼のところへ行くか……)
何とか思い出してもらう為に。
岩杉は大きく深呼吸した。
*
判らない、判らない、判らない。
何も判らない。
全てが謎だ。
俺にとって。
これから俺は、どうすればいい?
何も見つからない。
答えが――……。
何処へ行けばいいのか。
何処を探せばいいのか。
一体何処にあるのか。
何も無い。
もしかして、本当に何も無いのか?
俺には見つけられない、何か。
何処かに転がっているんだろうか。
俺には見えないところに。
誰か俺を――……。
救ってくれ。
誰か――……誰も助けてはくれない。
こうして今俺がペンを走らせているのを、
一体誰が見ているだろう?
誰も見ていない。
見たところでどうにもならない。
第一、俺の部屋へ来てくれる人間は居なくなった。
あの事件以来。
全て俺がいけないんだ。
俺が悪かったから、だから。
あいつを殺そうなんていう考えは場違いだった。
それに、あいつは――……。
訳が判らなくなってきた。
このままだとヤバイ。
死ぬ。
死んでしまう。
死ぬことに何か意味があるのか?
あるのならそれを俺に。
教えてくれ。
教えてください。
誰か。
どなたか。
俺に。
この俺に。
何も判らない。
答えなど沸かない。
これが最後になっても構わない。
構わないから――……。
だから答えを、教えてくれ。
そうしたらもう、何もする事は無いから。
俺に使命なんてものは最初から無かった。
やはり俺は、必要のない人間だった。
生まれて来る事だけに意味のある人間だった。
それから後に、何の意味も無かったさ。
こうして少しずつ文字を綴る事しか、俺は出来ないから。
父親の影を追うことしか、俺には出来ないから。
父親を抜く事なんて不可能だから。
新海碧彦は天才なんだ。
俺にはとても追いつけない。
そんな存在だから。
神のような存在だから。
むしろ本物の神だから。
だから――……決して追いつけない俺を、許してください。
俺に許される時間は、
あと、少しだけ。
その『あと少し』を、誰かに――。
誰かにとって、意味のあるものにしたいから。
だから。
俺は、こうして今ペンを走らせている。
そう、だから最後になっても構わない。
最後ぐらい、ちゃんとしておかないと。
全然ちゃんとしてない?
気にするなって。
俺は俺だ。
他の何者でもない。
佐伯葵こと本名久海葵、今ここにありき。
誰が俺を咎めようとも、
誰が俺を慰めようとも、
変わらない事実。
これからまた旅に出てきます。
では。
―――2010年1月22日 佐伯葵
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